リースバックは住宅ローンが残っていても利用することができます。但し、リースバックで売却価格>住宅ローン残債という状態にする必要があります。
なぜ、売却価格>住宅ローン残債でなければいけないのか?査定のプロは何を目安にしているのか?ご説明致します。
なんで?住宅ローンがあるとリースバックは利用できないの?
住宅ローンを組む際、銀行や金融公庫などにお金を借ります。その時、抵当権の設定をされたのは覚えていますでしょうか?難しい書類が多く、きちんと理解している人は少ないと思います。
リースバックを利用するには、抵当権を抹消させる必要があります。というのも、抵当権がついた不動産を勝手に売り買いすることが許されていません。
リースバック時の売却した際には、住宅ローンの一括返済を行い、借入先の銀行さんや公庫などに抵当権の抹消に必要な書類の準備を依頼する必要があります。
家を売る・・緊急であれば3日程度で準備できますが、早めにご連絡をください
どれくらい前にご連絡したらいいですか?
2週間くらい頂けると嬉しい(希望)です・・・
そもそも抵当権とは何でしょうか?
抵当権とは、お金を貸した金融機関が、ローンの返済が出来なかった場合に「住宅」という不動産の担保を取る事により、優先的に返済を受ける権利を取る手続きのことです。
第三百六十九条 抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。
2 地上権及び永小作権も、抵当権の目的とすることができる。この場合においては、この章の規定を準用する。(抵当権の効力の及ぶ範囲)引用元:民法369条ー(抵当権の内容)
もっと簡単に説明してください。
ローンのお支払いができなくなった場合、不動産で返済を賄う上で抵当権者(私たち)が優先的に回収しますという権利です。
??
つまり、抵当権とは不動産を売却して貸したお金を回収する権利を証明するものですね。
借りた金返せなかったら、家を売って金作り優先的に返せコラ!ってことですね
・・・はい(表現・・・)
持ち主が変わると同時に借りていたお金を完済させる必要があります。
ですので、必然的に「リースバックで売却した価格>ローン残債」である必要があるのです。
もちろん、
・既に完済している
・リースバック利用と同時にローンを完済
していれば問題ありません。ただ、リースバックの利用を考える時点で「まとまった資金調達」を検討している事を考えると、「既に完済している」方の方がよりメリットが大きくなるサービスと考えます。
抵当権の抹消に掛かる費用は?【得する司法書士の探し方アリ】
抹消の登記の登録免許税は、土地又は建物1個につき1,000円です。不動産を売買する時に「売主側」が抹消の手続きまで行わなければなりません。
不動産登記を申請する場合の登記申請書の様式及び登記事項証明書等の請求書の様式のうち,主なものを掲示しますので,参考にしてください。
手続きは本人でも出来ます。
代理で依頼する場合は、司法書士に1万円~2万円程度の手数料で行ってもらう事が可能です。
お知り合いに司法書士がいらっしゃらない場合、不動産屋さん・銀行さんは日常的に司法書士との取引があるので、紹介を受ければ割と安い費用で行ってもらう事もできます。
【ローン残債の目安は?】リースバックを利用したいけど住宅ローンが残ってる場合の目安を計算する
住宅ローンが完済されている。と、手続きもスムーズに出来ますし、売却した際の現金も手数料を除いて、手元に残すことが可能です。
では、いくらくらい住宅ローンが残っていると、リースバックで売却価格>住宅ローン残債になるのでしょうか?
1つの目安は、「建物分の返済を終わらせている」という事。つまりローンの残債は「土地の値段」くらいです。
さらに築年数が15年以内であればリースバックで売却価格>住宅ローン残債になる可能性が高くなります。
理由をご説明します。
リースバックだけじゃない!自宅売る時プロの査定方法
不動産(住宅)査定の基準は、各不動産屋さん、銀行さんで目安となる算定方法が違います。
特に注意すべき点だけご紹介します
不動産(建物)は、住めば35年超えて住むこともできますし、住もうと思えば50年100年と住み続ける事が可能です。
しかし、住宅の売買・お金を借りたりする場合の「建物の価値」は20年~25年を超えると「資産価値はない」ものとして算定されます。
【構造】木造・合成樹脂造のもの 事務所用のもの
【細目】住宅用のもの
【耐用年数】22年
基準は耐用年数。建物の寿命目安として国が提示しているもので、本来建物の寿命としては目安でしかありませんが、「不動産(住宅)を査定する時の目安」として使用されます。
実際、私も「築25年を超えた建物は土地値で購入の相談」をする事が通常です
また、土地値に関しても基準となるのは「時価(不動産売買されている価格)」ではなく、毎年送られてくる固定資産税の納付書に書かれている「評価額」です。
評価額で売り買いされることは少ないのですが、銀行さんの査定や不動産売買を専門に売り買いする人は、評価額を基準にして「駅近」「売りに出にくいエリア」「人気エリア」などを加味して算出します。
ネット上でも見られる、住宅などの販売価格は「一般」向けの相場になります。
「評価がいくら」ではなく、「一般のお客さんが買うであろう価格(時価額)」になるので、リースバックでの売却・銀行融資の査定額はプロの目安になるので割安になる傾向にあります。
ですので、築年数22年前後を越えた建物の評価はゼロにして、土地値が基準になる為住宅ローンがある場合「リースバックを利用する際には建物分の返済を終わらせている方がよい」という見解です。
リースバックと住宅ローン【まとめ】
リースバックを利用すると、住宅の価値は割安になる傾向になる事をご説明しました。
お時間に余裕がある方は
・リースバックのサービスを調べ相見積を取る
・一般不動産査定も併せて検討こちらも相見積を取る
を推奨します。
前の項目で一つの算定方法の目安をご紹介しましたが、リースバック会社によって
・土地を一般相場で算出する会社
・買取価格は安くなりますが家賃が安め
・査定は厳しいが付加サービスが充実
・リースバックの仲介のみを行いより高く査定するプロの紹介会社
など多岐に渡ります。
各家庭で状況や欲しいサービスが異なると思いますので、参考にして頂けると幸いです。