手形の取引を学ぶ!約束手形と為替手形、手形割引、小切手との違いとは?

手形・小切手・手形割引イメージ ファクタリングの基礎知識

企業の資金繰りには欠かせない、手形・でんさい・小切手をご存知ですか?テレビのワンシーンなどで見かける小切手。手形と何が違うのでしょうか。

また、手形や小切手を、直ぐに現金化できる「手形割引」・「ファクタリング」という手法をご存知でしょうか。

ここでは、手形取引・でんさい・小切手について何処よりも詳しく解説します。

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手形とは?手形の概要と約束手形・為替手形

最近では手形の取引量は減り、現金取引を多く取り扱われる傾向にあります。

手形交換高がピークだった1990年に比べると、現在の取引量は5.4%水準に縮小しています。2013年2月にスタートした全国銀行協会の「でんさい」も増えてはいますが、手形取引の7%程度に過ぎません。
参考:東京商工リサーチ2018年「手形・でんさい」動向調査

手形の取引方法としては大きく分けて2種類「約束手形」「為替手形」に分けられます。

手形は約束の期日の縛りがある為、すぐ現金化することが出来ません。

 

約束手形とは、2社間で約束された証券です

発注主が、将来の決まった期日に手形に記載された金額を支払うと約束された証券(有価証券)です。

手形(約束手形)とは、振出人が受取人またはその指図人もしくは手形所持人に対し、一定の期日に一定の金額を支払うことを約束する有価証券のことである。略称 : 約手(やくて)

引用元:ウィキペディア(Wikipedia)

約束手形のサンプル

約束手形のサンプル

期日に即時現金化することはできませんのでご注意ください。

取引銀行に取り立ての委任をすると、手形に記載されている期日から3営業日を目安に現金化(資金化)することが可能です。(※不当たり覗く)

元請け会社(発注者)が支払人①
下請け会社(受注者)が受取人②

この2社間で取引するので、2社間取引と言われています。

為替手形とは、3社間で約束された証券です

【図】

元請け会社(発注者)が支払人①
下請け会社(受注者)が振出人②
孫請け会社(職人さん等)が受取人③

この3社間で取引するので、3社間取引と言われています。

本来お金の流れは①→②→③という流れになります。

為替手形のサンプル

為替手形のサンプル

②の下請け会社は
・①の元請け会社に対し、③の孫請け会社に支払う承諾を得る事
・③の孫請け会社に為替手形を振り出す

上記2点を行い、
「①→③へ直接支払」えますので、③へ支払うお金を準備する必要がなくなり、より効率的に動くことが可能になります。

すぐに現金化できる手形割引、ファクタリングの違いとは?

手形は期日前に譲渡・買取依頼することにより、現金化(資金化)することができます。

具体的に言うと、期日までの利息(手数料)を割り引かれて買い取ってもらう事により、現金化(資金化)することが出来るというもの。

これを手形割引と呼びます。

約束手形・為替手形ともに、現金を動かすことなく約束で取引出来るメリットはありますが、即現金化できないデメリットもあります。

取引の現場では、手形よりも現金があった方が有効に取引できる場面も少なくありません。

手形の現金化(割引)は、金融機関か手形割引の専門業者・ファクタリング会社で行うことが出来ます。

手形買取(ファクタリング)と手形割引と大きく違うところは?

手形割引の場合、手形の振出人が倒産した場合、銀行・ノンバンクは御社に買い戻しを請求致します。
手形買取の場合、一定の条件・会社によっては買い戻し請求はされない仕組みになっています。

小切手とは?手形と何が違うの?

手形と小切手の違いは、大きく2点

  • 小切手には収入印紙が要らない
  • 小切手には期日がない

という点です。

小切手のサンプル

小切手のサンプル

小切手も譲渡することは可能ですが、期日がなく即現金化が可能ですので、譲渡される例は多くありません。

手形と小切手、手形割引、ファクタリングまとめ

手形・小切手の共通で言える注意点です。

【振出人側】
・支払いの為の呈示を受けた者(企業)は、期日にまでに当座預金口座に資金を準備していなければなりません。
・予定通り支払う事の出来なかった場合、不渡りになり6か月以内に2回の不渡りを出した者(企業)は2年間は当座勘定取引と貸出取引が停止されます。【受取人側】
・不渡り=支払う義務がなくなるというわけではありませんが、手形債権の場合時効があります。

また、下記の点をチェックしてください。

・債権買取と融資との違い
債権は、「返済」という考え方ではなく、基本「決済」という考え方です。
入金口座が弊社に変更されておりますので、売掛先様から直接、弊社に入金(決済)があった時点で取引完了になります。
・手形買取と手形割引との違い
手形の振出人が倒産になった場合、銀行・ノンバンクの手形割引の場合は、買い戻しを請求致します。しかし、手形買取の場合は、保険を掛けているファクタリング会社かつ一定の条件とが整えば買い戻し請求が発生しません。

手数料が必要にはなりますが、確実に現金化する手段、取引相手に不安がある場合の保険や保証があると安心です。

資金が円滑に回っているときにこそ、取引先の開拓の検討をすることにより、長く安心した事業が展開できると言えるのではないでしょうか。

参考文献
一般社団法人:全国銀行協会全国の手形交換所等一覧
全銀協:手形・小切手の利用方法

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